■嵐小説終了によせて・・・■

デザイア

>>>制作秘話と感謝の気持ちによるあとがき

たしても長い長い作品となってしまいました。連載スタートが2002年の4月、そして終了が2003年の3月・・・まるまる1年ですね〜。よくもまあ続いたものです。途中マシンの調子がおかしくなって休んだ時もありましたが、こうしてちゃんと毎週更新で連載できた自分にビックリしています。これも読んで下さっている方がいればこそ!皆さんが寄せてくださる感想がやる気を起こさせてくれたのです。本当にありがとうございました。感謝感謝でございますm(_ _)m

回は初のサスペンス小説ということで、それなりに下調べにも時間がかかってしまいましたが、その地道な作業がとてつもなく面白かったです。遺跡に関する本はもちろん、神話&伝承に関する本(古事記や日本書紀なんかも読みました)、犯罪心理学の本、そして相続に関する本まで。今回の『デザイア』は、それらを一気に読み漁った挙句にできあがった小説なのであります。・・・それにしてはヘボいんですが(><)。ちなみにサスペンスというものは、謎解きがメインの推理小説とは違い、犯罪に隠された人間の心理がメインになってると思うんです。ひとことに『サスペンス小説』と言っても、非常に奥の深いものなんだということがわかりました。

イトルは予想外に悩んだんですよ、これが。婉曲した言い方にしようか、それともかっこつけた方がイイのか・・・悩みに悩んで、一番ストレートなもので勝負しようと『デザイア』に。表記は英語よりもカタカナの方がインパクトあるかなーと考えて。珍しくロゴまで作ってしまいました(^^;ゞ ちなみにそれぞれの章につけられたサブタイトルも、毎回毎回悩みのタネで、自分の頭にあったのは、最初(『邂逅』)と最後(『黎明』)だけだったんですよ。ここから途中の8個を考えるのに苦労しちゃいましてね。やはり日本語は奥深いです。イロイロな意味を含ませられる分、こだわりも見せないといけなくて、言葉選びのセンスを問われるところでした。あ、その結果、私にはセンスがないことがわかりましたけどね・・・(T_T)。

語のテーマは、ずばり『欲望』!だからタイトルが『デザイア』なわけですね。本能的な欲(食欲とか性欲とか)もそうだし、「〜でありたい」「〜が欲しい」「〜になりたい」とか、そういう欲も書きたかったわけであります。それぞれの登場人物の心の内に秘めた『欲』が“偶然的”にぶつかり合ったらどうなるのか?!それを描いてみたかったんですよ。そして、是非とも感覚を使って読んで欲しいんです!鈴の音や線香の匂い、雨の音や匂い、全編中を漂うひんやりと湿った空気とか・・・それらを想像しながら読んでもらうと、なお一層楽しめるかと思います。

本は主人公、櫻井翔の成長物語。そこに家族愛や、幼なじみとの微妙な関係、旧友たちとの友情話をプラスし、最終的に自分の力で悲しみを乗り越えていくという話へと発展させていきました。やはりどんなに暗いお話であっても、最後にはプラス思考というか、前向きな主人公であって欲しいというか・・・そういった私自身の願望を込めて、そんな話になったのであります。

して今回のラストは、最終的な結末を読者に委ねるという形を取りました。これはホント、あれ以降のお話は読んだ人それぞれに考えてもらいたいなぁと思ったわけでありまして。たとえば、遺産相続問題。普通に考えれば、たとえ犯罪者であっても相続人は安則自身だし、将来的には和也とかすみも必ず分配されることになってます、法律上は。ただ、それをどう使うかは本人次第でしょう。なので、相続税の支払いなんかで大部分の土地は売っちゃうんじゃないかなぁとか、漠然と考えてます。ちなみに設定が山間の村ということで、特に県名とかは決めてなかったんですが、イメージとしては近畿〜北陸地方でしょうか。土地単価はどれくらいなんだろうなぁ。そこまでは調べてないけど(^^;ゞ そして結婚話。一応犯罪者として逮捕された人のいるところに、果たして相葉家が婿を出すのか!?普通に考えたら遠慮しちゃいますわな(−−; それ以上は当人同士の問題ですがね。ある意味そこは『オトナの問題』ってやつでしょうか。私が思うに、なんとなく立ち消えになってそうです<婿入り。でも本家の問題は分家の問題でもあり、ないがしろにするわけにもいかないでしょうからね。きっと両家が手を取り合って頑張っていくことでしょう。そう思いたいです。そして真犯人の処遇―――これは・・・やはり本人が目覚めない限り警察も動くことはできないでしょうねー。決定的な証拠がない状態だと、ムリヤリ逮捕するわけにもいかないから。なので、それ以降のお話は考えていません。多分、あの人たちはあのまま一生を終えるのではないかな。互いに幸せなら、それでもいいのかも・・・って思いつつ。不倫問題―――は、どうだろう。やはり安則さんが帰ってきてからの問題になりそうです。借金についてもね。数々の難題が残されつつも、彼らなら乗り越えていけるよ!そう思わせてくれるようなラストに仕上げたつもりです。せめてラストくらいは、明るく爽やかに・・・と思いましてね。まあ、翔があんな明るい手紙を和也宛に出しているところを見ると、二ノ宮家の方もそれほどヤバイことにはなっていないのかもしれませんが。とりあえずハッピーエンドとも、アンハッピーエンドとも取れるラストですが、それ以上は皆様のご想像にお任せしますm(_ _)m

理と言えば。今回もそれぞれの立場に立ちながら書き進んでいきました。それが私の小説の書き方のひとつなんですが。翔の視線、和也の視線、雅紀の視線、智の視線、潤の視線・・・全部それぞれの立場に立って書いていったんです。ここではこんな気持ちだろうな、とか、こう言ってる反面、じつはこう考えていたんだよ!とか。文章の向こう側にある彼らの心理に同調しながら、それを表に出さないように描いていきました。もちろん出すべき時は出してね。小説を書いている時の私は、監督であり脚本家であり、そして役者本人であり。自分がその場面でどう演技するか、それを考えながら書いていくんです。そうすると、なんとなくセリフが生きてくるような気がします。でも、心理を考えながら書く!・・・なんて難しいコト言わずに、ようは「もし自分が○○だったら」と考えればいいんです。「もし私が自分の父親を事故で亡くしたら」「もし自分の好きな人が何者かに殺されていたら」・・・そう考えながらそのシーンの様子を描写していくわけ。多分キーボード打ちながら変な顔してたと思うよ〜(笑)。あとは実際にセリフを声に出してみたりとか。それで違和感がないか考えるの。なかなかこれが難しい(><)。でもそれもまた面白味のひとつだったりするわけですね。書けば書くほど、言葉の面白さを知ることができます。

いうわけで、毎度の事ながら、読んで下さったすべての人に感謝しつつ、これをあとがきとさせて頂きます。本当にありがとうございました。

 

>>>登場人物裏設定

っそくですが、それぞれのキャラクターを解説していきましょう。もし万が一、ここを読んでいる人で、まだ本編を読んでいないという人がいましたら、どうか目を通さないで頂きたく思います。思いっきりネタばらしであります!!ご注意。

■桜井翔■
 ・・・櫻井翔、またしても主役です(笑)。やっぱり書き易いんだな、私的に。特筆すべきことはないんですけど、あえて言うなら「進行役に適してる人材だな」ということ。父親を亡くし、幼なじみと兄との結婚にショックを受け、それでも前向きに生きていく力強さ・・・それを描けて満足です。そして後半になり、急に考え方が大人になってきたところを描くのに苦労しました。その心の成長を読み取っていただければ幸いです。

■大野智■
 ・・・良きムードメーカー。ドロドロとした話の中で、唯一笑いを盛り込める人。逆に言えば、そういうドロドロとした面を際立たせる為にも、重要な役目を担っていたんじゃないでしょうか。やはりそこは私の贔屓ということで(笑)。幼い時に抱いた淡い恋心との葛藤、家庭の現状をなんとかしたいと思う気持ち。ちょうどひとり立ちをし始める頃の若者像を背負わせたつもりです。割り切った部分や、ひょうひょうとした態度の中にも、どこかまだ甘いところがあるのもポイントでしょうか。

■二ノ宮和也■
 ・・・二宮和也。ちょっとだけ名前は変更させてもらいました。先祖が平安貴族という設定だったもので(^^;ゞ 抑えた演技が必要な役でした。オトナ社会の中で育った子供というね。緑翠村という、ある意味閉鎖された空間の中で、彼が信じられるものは自分だけだったのかもしれませんね。それほど視野の狭くなった中での、実の姉に抱いた感情。支え合って生きていきたいと願う心が、いつしか姉を「異性」として見るようになったのではないでしょうか。その反面、実の姉に対しそういった感情を持つこと自体への嫌悪感・・・その葛藤もあって、ああいったクールなキャラクターになったわけであります。きっと彼なら、これからの二ノ宮家を背負っていけることでしょう。

■相葉雅紀■
 ・・・ある意味一番大人だった人。政略結婚の話も素直に受け入れつつ、和也のことを心配し、若菜を大切に思っていた「お兄ちゃん」。じつに「イイ人」ですね。周りに流されているだけではなく、ちゃんと自分の意見も持っているのが雅紀の強みでしょう。自分は後継ぎ問題に関係ないと割り切っていたからこそ、周りを見つめる余裕があったのかもしれません。

■松本潤■
 ・・・見た目よりずっとナイーブな少年。出生の秘密やら車椅子やら、とにかく謎の多いキャラクターですね。それを表面上の明るさでカバー。しかしその内面には、真っ暗な闇が広がっていたのでしょう。少年時代、母親の愛情を充分に受けられなかったことがトラウマとなり、自分を「母親」に摩り替えてしまった哀しい人です。母の愛が安則にだけ向けられているのを知り、それを恨むのではなく、自分も同じく愛を向ける―――そうすることで、母の気持ちを知り、母と同じになれる、そう考えたわけであります。とにかく愛情に飢えていたのは確か。それに、自分自身は気付いていないのです。ある意味、潤は多重人格を生み出してしまったのでしょうね。松本潤の中には、「翔たちと遊んでいた無邪気だった頃の潤」と、「実の母親に愛されたいと願う子供の潤」と、「安則だけを愛した母」が存在していたのでしょう。そうして犯罪を積み重ねていくうちに、すべての内面が崩壊していった―――ということになったのではないでしょうか。最後に残ったのは、一体どの「潤」だったのか。それを読んだ人自身に考えて頂けたら嬉しく思います。

■相葉若菜■
 ・・・酒井若菜さん。相葉ちゃんとは、一応兄妹役ということで、雰囲気や顔の作りが似ている彼女を起用。きっと巫女さん姿も似合ったことでしょう。どちらかと言えばはじけた役の多い彼女ですが、こういった古風な女の子も似合うんじゃないかなぁ、という私の勝手なる考えですが。想いを伝えられずに亡くなるという哀しい結末でしたが、今度生まれ変わってくる時は幸せになって欲しいと、願ってやまない感じです。皆さんから頂いた感想に、若菜に対する反感がなかったのも助かりました。あまりにも古風な感じが受けないかと心配だったんですが、大丈夫だったようですねー。

■二ノ宮かすみ■
 ・・・仲根かすみさん。彼女もまた、雰囲気で起用。一見強そうに見せかけて、じつはとても繊細な女の子。そしてそんな自分に少々酔い気味なところもあったり(^^;ゞ 守ってやりたくなるような華奢な雰囲気が、じつに彼女のイメージと被るんですよ。かすみ姉ちゃんも、不思議と反感をかいませんでした。もしかして、読んでいた方には彼女の内心をちゃんと理解してもらえたのかもしれないですね。いわゆる二ノ宮姉弟は、「井の中の蛙」だったわけですよ。いつかきっと彼女も、弟離れができるはずです。数多い女性陣の中でも、彼女はもっとも弱い存在だったかもしれませんね。

■二ノ宮安則■
 ・・・段田安則さん。やはり演技達者な所がポイントでしたね。優柔不断で頼り甲斐のない父親、そして女癖が悪くずる賢い。そのくせ、どこか抜けた部分もある―――人によっては無償に愛したくなる男かもしれませんね、この手の人間は。「二ノ宮」という(一応)立派な家柄には不釣合いな器だからこそ、今回のような事件が起きたと考えられますね。ある意味キーパーソン。不倫騒動もどうなるのか、すべては彼のこれからの力量でしょうか。・・・カズ、支えてやってくれ!

■二ノ宮理美■
 ・・・手塚理美さん。優しいお母さんの象徴。それでいながら、どこか魔性の女。ふたつの魅力を併せ持つ雰囲気から起用させてもらいました。彼女も自分に酔うクセがありますね。そこはかすみが似たのかも。自分の置かれた状況に悲嘆しながら、悲劇のヒロインになった自分に酔う。そんなところが彼女の弱さなのかもしれません。この人の処遇も、是非ともカズにお願いしいたいですわ・・・。なんでも押し付けちゃってゴメンよ>カズ。

■相葉正雄■
 ・・・草刈正雄さん。カッコよくて渋いお父さんってイメージで起用。彼もまた、自分が後継ぎではないとわかってから、飄々と生きてきた人であります。雅紀は父親のそういうところを見て育ったんでしょうね。

■相葉ふみ■
 ・・・壇ふみさん。優しくて穏やかそうなお母さんのイメージが強くて起用。雅紀や若菜の持つ天然さの、まさに生みの親でしょう。ちなみに死んだ長男、旬に対する罪悪感を今でもずっと抱えながら生きてきています。それが、どことなく彼女を暗そうな印象にさせていたかもしれませんね。

■相葉真奈美■
 ・・・冨士眞奈美さん。おしゃべりでお節介やきなおばさんという印象から起用。もちろん若い頃は目鼻立ちのくっきりした美人で、巫女さんのイメージに合うような女優さんということも考慮しました。相葉家は、彼女が元気でいるうちは安泰だと思います(笑)。その間に雅紀が成長していけたらイイですね。

■二ノ宮今日子■
 ・・・岸田今日子さん。やはり貫禄が違います!気難しそうで、芯の強い女性。まさにそのイメージにぴったりでした。若い時には相続やら後継ぎやらで苦労していて、それをまったく周りに見せなかったという強さが泣かせます。ちなみに貴宣氏の特定なイメージ役者はいません。

■二ノ宮浩市■
 ・・・佐藤浩市さん。安則と対極をなす役ということで起用。どことなくかすみ姉ちゃんやカズに似てる・・・?理美をとりこにさせてしまった男としては、充分な存在感ではなかったでしょうか。

■米沢喜太郎■
 ・・・きたろうさん。「牛のような男」というイメージから、米沢なんていう安易なネーミングを(滅)。ちなみに最初のメモには「出川喜太郎」とありました(^^;ゞ そっちの方があとあと良かったんですけど(><)。早々に不気味な死に様を見せてくれましたね。書いてて怖かったです。

■今出川雅彦■
 ・・・津川雅彦さん。考古学博士で遺跡発掘の権威という、すごい肩書きに耐えうる人材ということで起用。結局悪役でしたが(^^; しかし彼は今回の一件で、すべてを失ってしまいましたね・・・それが、翔や田辺(北村)にとっての「償い」でしょうか。

■北村利夫■
 ・・・筧利夫さん。善なのか悪なのか判断しにくい個性的な雰囲気という理由で起用。ちなみに田辺浩二には特別なモデルはいません。親友の敵を正当な形で討つということに、かなりこだわりを持っていた人であります。

■櫛田佑実■
 ・・・安達佑実さん。やはり最近の目覚しい成長振りから、色気のある若い女性という役柄で起用。ちなみに父親は若林豪さん、祖母であり、正雄の父と不倫関係にあった芸者役を大原麗子さん、という裏設定もありました。引っ掻き回すだけ引っ掻き回し、その後は何事もなかったかのように去っていく、まさに「台風の目」的存在。カズがタイプのようでしたが果たして・・・?!

■仁科和子&晃■
 ・・・吉行和子さん、西村晃さん。品のイイ夫婦というイメージでそれぞれ起用。この夫婦は猛烈に家柄等にこだわりをみせる厳格な人たちでした。それがすべての不幸の原因だったわけですが。ある意味哀しい人たち。

■櫻井洋■
 ・・・勝野洋(ひろし)さん。明るくさばさばとしていて男前、がっちりとした山男風というイメージにより起用させて頂きました。見事に息子が敵討ち・・・現代劇だとああいう敵討ちしか取れないのが残念ですが。

■櫻井かずこ■
 ・・・かとうかずこさん。やはり彼女も「優しいお母さん」というイメージが強くて。かずこもまた、強い母ですね。・・・今回はやけに強い女性が多かったなぁ。

■櫻井直人&久美子■
 ・・・藤木直人さん、遠藤久美子さん。翔の兄と幼なじみという設定により、見た目第一で起用させてもらいました。翔が大人になるプロセスの一環ですね。この人たちには、是非とも普通に幸せになって欲しいなあ。櫻井家の心の拠り所となりそうですね。

■近江勝久■
 ・・・生瀬勝久さん。う〜、筧さん段田さんと並ぶと濃いぃ(><;; しかし強烈な西訛りのあるキャラクターということで起用。ネチネチといやらしい警部補を演じきってくれました。

■本橋めぐみ■
 ・・・小橋めぐみさん。清楚で華奢なお嬢様風の見た目、なのにどこか暗い影があるような、そんな印象があって起用。潤のお世話役として頑張り、最後まで謎を残した人ですね。潤の養母の別れた亭主がよその女に生ませた子で、結局は捨てられてしまった哀しい過去を持つ娘。そこが、同じく出生に秘密を持つ潤と共感するところだったのではないでしょうか。彼女もまた、本当の母親の愛情を知らずに育ったわけですからね。となると、やはりめぐみは潤のことを知っていたわけで、やはり共犯なのか―――と思わざるを得ません。彼女自身が語ることはありませんでしたが、そこは読者様のご想像に一任するということで。そして潤との主従関係のような信頼の繋がりに、果たして恋愛感情があったのか?!きっとそこには、それを超えた何かがあったのかもしれませんね。めぐみの複雑な感情を、読んだ人なりに読み取っていただければ嬉しく思います。

■松本季衣■
 ・・・根岸季衣(としえ)さん。この人もまた、味のある脇役をやらせたら天下一品ということで起用させて頂きました。潤の養母で、すべての謎を握る人。最後は自ら死を選んでしまいましたが、じつはそこにも謎は残されたまま・・・。しかし今や、その真実を語る人は誰もいません。どうかそこは謎のまま残しておいてください。熱心なオコモリ様信者だった彼女が、オコモリ様の祠で見つけた潤の母、美里に、一体どういう思いを抱いたのか。それは、オコモリ様の伝承と、最終的にミイラとなっていた美里とのことを照らし合わせて考えればわかるかもしれません。

■仁科美里■
 ・・・田中美里さん。この人も、顔のイメージで起用。本当は松潤によく似た岡村綾さんにしたかったんですけど、前回の嵐小説でも使ったネタなので、こちらに変更ということで。一途な想いが不幸を招いてしまった、すべての元凶とも言える人物。しかしそこには、安則に対するただ純粋な想いしかなかったはずです。彼女もまた、外の世界を知らないお嬢様で、視野がものすごく狭かったのではないでしょうか。はじめは潤に対し、『安則さんの忘れ形見』という感情があったのですが、それが極限状態ですっかり変わってしまい、彼女には安則がすべてとなってしまいました。それでも、潤にとっては愛しい母だったのです。潤の一途なところは、美里と同じなのでしょうね。

 他に、聡子、歌江、桂木万作、芳川蓮&景子夫妻、大野冨之&美沙子夫妻などにもイメージキャストがありますが、それらは名前から想像していただけると思いますので割愛。あとはそれほどイメージキャストにはこだわっていませんね。なんとなく想像しながら読んで頂ければ大丈夫かと思われます。今回は人数が多くて、読んでる人にも大変だったろうけど、書いてる本人もメチャ大変でした(^^;ゞ 一時も家系図や人物相関図を手放せない状態でしたから。何はともあれ、無事に完結して良かったです。それぞれの人の後日談は、やはり読者様の想像にお任せ致します。

上。これにて人物設定の説明を終わらせて頂きますm(_ _)m 長いことお付き合い下さいまして、誠にありがとうございました。

2003.3.29