| 彼女は少しはにかみながら口を開いた。 「好きな色?・・・う〜ん、赤、かな」 清楚という言葉の良く似合う彼女の口から、そんな話を聞かされたのは、僕たちが初めて出会ってから7日たった頃だった。普段から、それほど派手な服を着るわけでもなかった彼女が、好きな色と聞かれて『赤』と答えたのは意外だった。なんとなく彼女の見た目の印象から、ピンクとか水色とかの淡い色味が好きそうに思えただけに―――。 「あのね、じつは赤って、わたしのラッキーカラーなの」 照れくさそうにそう言った彼女は、「似合わないって思ったでしょ?」と続ける。 そんなことはない。色白な彼女には、鮮やかな赤が良く似合うだろう。それに別に好きだからって、毎日その色の服を着るわけでもないし・・・。 |