コノテヲニドトハナサナイ


大切なモノは大切だから傍で愛し続けると
何が大切か解からなくなる
だから
罪を犯してしまうんだ



深い深い悲しみを抱えていても人は笑える
不安定な事への不安
頭によぎる最悪の結末
鉛のように思いそれを飼っていても人は笑える



そして
後悔が心を喰い荒らしていく
己を呪う
憎んで憎んで憎んで
憎む己を嘲笑い
狂うほどに大切な者を想い



そして
悲しさで胸の内で溺れるのだ
ただ悲しい
何をしても悲しい
涙があふれては己の知らない所で流れてゆく



そうしたら
蘇る
Ｔシャツの色
愛らしい声
温かな笑顔
私が貴女をどれほど愛しているかを



だから
私は想うのです
貴女の幸せを
貴女の幸せが
貴女の幸せに
貴女の幸せは


いつしかそれは私の幸せにもなりました


それを
忘れるほど貴女の傍にいました
愚かにも堕ちていました

私の犯した罪は




「繋いだ貴女の手を離したこと」




失ってから心臓を握りつぶされるあの苦しみは
私への罰だったのか
私はそれに耐える事はできなかった



罪から逃れようと
深い深い悲しみを自ら抱いて笑った
罰から逃れるように
後悔に心を自ら喰わせ己を憎んだ
罪からも罰からも逃れられないと知り
悲しみに自ら涙を流した



そして再び貴女を求め
貴女を愛し
思いを馳せて


離してしまった手を握り締め抱き締めた



私は貴女を愛しています