夜 / オリジナル(heroシリーズそのB)


キュラはお供のコウモリとミィを連れて夜の散歩を楽しんでいた。
今夜は特に賑やかで、その騒ぎに便乗して綿菓子やりんごあめ、ナントカ焼きなど、普段なら食べないものばかり大量買いしてしまった。

「heroも連れてくれば良かったかなぁ。あ、でもあいつがもう連れ出してるかも」

ミィの手を引いてやりながらキュラは人混みを器用にかいくぐる。と、目前に見知った顔の人物がいた。

「あらら〜、言ったそばから」

そこには、一方的に怒鳴っているheroとハイテンションの影。
二人は浮きまくっていた。

「楽しそうだねぇ」

そして、キュラにはそんな二人が楽しそうに見えるらしい。
二人が境内に入るのを見て、キュラたちも後を追った。

「邪魔してやろ。影だけ楽しい思いするのズルいもんね」

その顔はとても嬉々としていた。
一騒動を予感させる笑みだった