こうして人は傷ついてゆく / 小十郎×政宗
 
written by 青桐



貴方のためならどんな敵陣の中でも道を切り開く
貴方のためならどんな業火の中でも盾になって守る
貴方のためなら…死すら厭わない
貴方だけをお慕いしております政宗様


お前のためならどんな戦だって負けやしねぇ
お前のためならどんな圧力にだって屈しない
お前のためなら…天下だって捨ててやる
お前だけを愛してるんだぜ小十郎



貴方が居るから俺に存在理由がある

お前が居るから俺が存在理由を得る



愛おしくて愛おしくて
貴方の影が在るような気がして振り返る
理性が保てなくなる程に貴方を求める俺を


好きで好きで
お前の声が聞こえた気がして耳を澄ます
気が狂ってしまいそうになる程お前を求める俺を



貴方は知らない

お前は知らない



貴方をお慕いすることは…
貴方にとって邪魔な事でしかないのだから…

お前を好きになるってことは…
お前にとって迷惑でしかないからな…



邪なこの想いを抱いてしまった事に悩みはする
しかし後悔はない
俺は貴方を心からお慕いしている
それはこれからも変わることはない


込上げるこの想いを止めれない事に悩みはする
たけど後悔はしていない
俺は心からお前を愛してる
これからもずっと



その想いこそが俺の絶対の全てで信念
貴方を護る為の修羅となるから


その想いこそが俺の唯一の自由で本音
お前と共に走る為の糧となるから



後悔の念など毛頭になにのだ

後悔なんかしてねぇしする必要もない



ただ…時折

ただ…ふと



無性に貴方が愛おしくて
手を伸ばしかけては
触れられずに
空を握り締めて
手を下ろす


どうしようもなくお前が好きで
手を伸ばしては
触れるだけで
唇を噛み締めて
手を離す





―報われない想いは定めの輪をころころと笑いながら苦しめる―

―愛したい愛せない愛してる―







fin