――夜、街を離れたリクルとミルは、森の中に分け入った。
小川の中に、鰯を見つけて、ミルは感激する。
(リクル!魚、魚!)
「ん?今日は鰯焼く?」
そう言ってリクルは、手早くモリを作って、数匹の鰯を獲った。
(わーい!焼こう!)
「それなら、薪の準備でもしておきなよ」
リクルは苦笑しながら、薪に火をつける、燃える炎で、体も心も暖かくなった。鰯も少しずつ焼き色がつく
(おいしそう!)
ミルが、リクルの肩の上で、ぴょんぴょん飛びはねる。
「はい、焼けたよ!」
リクルが一匹ずつ鰯をとって、口に運ぶ。
(おいしいね)
「うん!久しぶりだ」
リクルもにっこり微笑む。
煙が、少し目にしみる。
でも、今日は、2人で久々にのんびりした日。
少し地味だけど、永遠の思い出―――。