「ションベン」stand and walk 全身が筋肉痛の嵐に見舞われる晩。 寝続けることもましてや起き上がることなど到底かなわない。しかし。 便所へ立つことの要請は抗いようもなく。 意を決して階下を目指す。 腹筋・背筋をねじ切る思いで起きる。 ひじをきしませひざをふるわせ。立つ。 十指は空を握り締め。 目を見開き。耳を立て。奥歯を砕いて食いしばる。 半歩の着地はかかとから脳天へと稲妻を走らせ。 危うき一歩。されど。確実なる前進。 雄叫びをあげずにいられようか。 “歩く”というのはこんなにも全身をフルに使う運動だったのか。 「ションベンしてくる」ってだけのはなしなんだが。 [99.09.12sun]