「ゆらゆらゆらゆら」take me out ・ただ電車に乗って街を過ぎ田んぼを駆け山を抜け海をめざす。 終点で一服してメシを調達してすぐにまた折り返す。 ただ電車に乗って走るはしる。 ・じいちゃんのリュックサックには ごろりとまあるいカタマリが3つも入ってる。 あれは西瓜に違いないと僕は想ってる。 じいちゃんここで降りんのか? 孫たちゃきっと喜ぶよ。 ・何の予定も期待もなく降り立った駅。 これからどうしよっかなぁとふわふら歩いていると 前から威勢のいい掛け声とともに神輿がやってくる。 引き寄せられ近付く。足早になる。 バケツの水が帯のように降り注がれる。 神輿を担ぐ誰も彼も全身びしょぬれ。 フンドシひとつのおいさんは神輿ダコで肩が赤く隆起している。 ゆらゆらゆらゆら神輿は進む。 ゆらゆらゆらゆら祭りの国へ。 ゆらゆらゆらゆら眠気を誘う。 ゆらゆらゆらゆらありがとう。 ・当てもなく6時間も電車に揺られ今日初めてここに降り立つ。 今日はこの神輿に呼ばれたんだね。 ずいぶん寄り道したけどね。 [98.07.26]