「手放す」release この部屋のモノたちを急に手放してしまいたくなったのにはいろいろキッカケ があったんだ。 前の晩、何かひょんなことから辞書を引いたら、「石」の項目を読んでいた。 「石に枕し流れに漱(くちすす)ぐ」:山野の景勝地に隠れ住み自由な生活を する。 そして、今日、読んでいたものにこんな言葉があった。 「足ることを知れ」 ががーん。しばらく何も手に付かなくなった。あぁなんてわしの部屋はモノに 溢れているんだろう。みんな人に譲ってしまおう。あれとこれはあの人に、そ れはあいつに・・・ あれこれ考えながら部屋を整理してると未練が沸いてくる。そりゃそうだ。手 にした当時の感情までよみがえってくるから。でも、いいんだ。燃やして灰に してしまうわけではないんだから。誰かの手に渡りそれを手にした人が喜んで もらえるなら、僕もモノたちも幸せだ。 必要な人に必要なとき必要なだけ。それでいい。それがいい。 「整理の簡単な方法とは、一番大切なものを捨てることです」 って僕の好きな絵描きも言ってるし。 あぁ、何だかこうやってだらだら書いてること自体が未練がましい(笑)。 [97.08.26]