「海と屋上」sea and roof 奇蹟のような快晴。部屋に居てはもったいない、 ハルノヒ。 コンビニで弁当を調達して、ビールとワインも調達して、 海まで歩く。 ヤミクモに広い船着き場のアスファルトに陣取るとビールを開け、 やぁ!海月たちに乾杯。 クラゲに会うのは久しぶり。 ぼけぼけぼけぼけ。ただただぼけぼけ。 何を話していたのかも思いだせないくらい、ぼけぼけ。 太陽があんなに傾いていたなんて気が付かなかったよ ってくらいまでそこにゴロゴロして、 ワインがなくなったのをキッカケに部屋に戻る。 帰る途中、ワインを2本調達して屋上に登る。 僕は爪切りを借りて屋上でつめきり。 飛び散った爪のひとつが空につき刺さる。そして、 月の誕生。 空がどんどん変わる。トビが飛び交う。 街のどまんなかのビルの屋上。 僕らはワインですっかり空の住人になっている。 今日は「海と屋上」の一日だね、 と詩人のようなことを隣でつぶやく。 [97.03.23]