「冬の春」the end of winter, and first spring storm 冬の良さに気が付き始めてから、一つ一つ冬を拾って、冬に浸っていたんだ。 冬の空気。冬の光。冬の青空。冬の風。冬の木。冬の公園。冬の山。冬の星。 冬の月。冬の焚火。冬のストーブ。冬のお茶。冬の猫。冬の耳。冬の鼻。冬の 唇。冬の手足。etc. このまま冬がずぅーっと続いてゆく気分でいた。それでもいいよな気がしてた んだ。そこへやってきた「春一番」。ものすごく寒い日だった。ものすごい風 の日だった。ちょっと荒々しい登場の仕方で僕を揺さぶってくれる。そうか春 ってもんがあったんだよね。 [97.02.24]