「魂保存の法則」soul conservation law  この宇宙(世界)に必要なものは始めから全部あった、と考えたらどうだろ う?それは物質と呼ばれる形を伴った目に見えるもののはなしではなく、魂の 総量は時代に関わらず増えも減りもしてないのでは、といったはなし。  一つの魂はある時、海に漂う藻だった。ある時は木になった。またある時は 石になり、花になり、雲になり、恐竜になり、魚になり、鳥になり、獣になり、 そして人間にもなってみた。機械や機械の部品であることもある。毒やゴミと 呼ばれるものであることも時にはある。景色や風景を構成する一部分だったか もしれない。形は仮の姿でしかなくて、その時最も都合のいいものを選んでい るだけで、みんな始めから居た魂たちだった。人間やゴミという形をとるもの たちが増えれば、森になるものたちが減る。綺麗な水でしか生活できないこと にした魚になるものが減る。ただそれだけのはなし。形として次々に死にそし てどんどん新しいものが生まれる。しかし魂は決して生まれるものでも死ぬも のでもない。  初めて来た場所なのに、初めて遭った人なのに、懐かしいような、どこかで 出会っていた気がするようなことが、この頃よくある、その感覚がどんどん加 速している。心がなごむものがある。居心地のいい場所がある。なぜだろう? きっとある時自分の魂はその一部であるか何かで関わっていたに違いない。そ う考えたっていいんじゃなかろうか?バラバラに見えていたものがどんどん繋 がってゆく。もともと繋がりのあったもの同士ならなんの不思議もない。  宇宙の始まりはごくごく小さな点でしかなかったという。形を持たない魂の 居場所としては充分だけど、そんな小さなところに居たのならみんな顔見知り の魂だったに違いない。だから今でもみんな繋がってゆくんだね。 [96.04.21]