後にも先にも、金魚紳士以上に美しく言葉を落としていける場所は、もうないだろう。

ここにくると僕は唇を挿げ替えたように歌えました。

真珠が落ちるような音で、血肉がさけるような色で。

とにかく僕が僕でないような。

金魚紳士の水槽の水を替えるだけの、僕でないほかの誰かのような。

真緒という名前さえ忘れるような。

ここはそんな場所でした。




ダイヤモンドを研磨したあとに残る粉塵のような言葉を残したい。

美しいものの残りかすのような。

残りかすの切なさを、儚さを。

風が吹けば、消えてしまうようなものでよかったし、数だっていらないし、名前もいらなかった。




僕はここで4年近く生きてきました。

けれど水槽の水も替えられないような僕で御座い。

水を替えることがなかなか出来なくなって2年間。

もう少し、もう少し、とねばりました。

潮時でしょう。

金魚紳士は、濁った水で泳げるような生き物ではない。




今此処に、金魚紳士の解放を。

長い間お付き合いくださったお方々には、どうお礼申していいかわかりません。

僕はとても楽しかったです。

とてもとても楽しかったです。


ここは終わってしまうけれど、いつかまた、どこかで。





右手にくちづけ、左手に体温。

幕をひけば零れる涙も見えますまい!





ありがとうございました。






僕はどこでだって生きていける。



 birth:20050511

dead : 20090125     




























真緒 /bed_mao@yahoo.co.jp
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