■北松浦郡の民話・伝説


◆水かけ地蔵(江迎町)
昔、平戸には天叟公という殿様がいて、とても勇ましく、優しい方だった。彼らは自ら木の仏像を彫り、お堂にまつった。百年以上後、子供が地蔵を川へ持ち出して遊んでいたところを役人が叱りつける。しかしその後、役人は高熱でうなされるようになる。そのとき夢の中に地蔵が現れてきて、「自由に子供達と遊んでいたのに、お堂に閉じこめられてしまった」と言う。大急ぎでまわりの役人が子供達に地蔵を返すと役人の高熱も引いたという。
寿福寺に移された地蔵は毎年八月の地蔵盆の日になると、近くの嘉例川で子供達と遊ぶことになっている。


◆山行神楽(やまゆきかぐら)(江迎町)
昔子供たちが鎌倉神社の社殿の神酒を飲み、山刀や樹枝を手に舞い踊り、戯れて遊んでいる のを大人たちが見つけて怒り、罰を与えた。ところがその人々が熱にうなされて、次のよう なお告げを口走る。「自分は子供たちを集め舞をさせ、神酒を飲んで楽しんでいた。子供たち を罰してはならぬ。」それで根引の鎌倉神社には「なた舞」が山行神楽に残ったと伝えられ ている。