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ほしをみるひと


「遠いとこ?」
「嗚呼。お前に良く似ている」
「星の記憶ですか」
「星。・・・いつか見ていたような気がする」
「それはお前自身の夢であり、あの男の膨大な想いの一部だ。共鳴したのだよ」
「・・・成程。だから流れ込んできたのですね?両者が」
「だろうな」
「ぼくは、星に抱かれてたんだ。ずっと」
「なんと・・・では、あの男はそれをも抱いていたと?」
「無くはなかろう。奴の意識体は世界その物に匹敵する器だ」
「あの人は誰?」
「・・・・少なくとも、」
「我等が束に成っても足下に及ばない程度の力は持っているだろうな」

Σ、リソス、オオカミボーイ

































他愛無く


「天国の、もっと先ね。」
「そうですか?」
「ええ。地獄よりも、もっと下よ。」
「ならば、此処は?」
「決まっているじゃない。貴方と私の、真実よ。」

釈迦

































とべるよ


「・ ・・、・・・?」
「あ?ああ。聞いてるよ。大丈夫だ、迷うタマじゃねーだろ」
「・・・・・ ・・ ・」
「んな不安そうな音させなくたっていいじゃねーか。お前が望んで俺が望んだ。それでいいだろ?」
「 ・ ・ ・・・ ・・」
「・・・・うん。そうだな。それは俺も分かってるよ」
「・ ・・ ・ ・・」
「だからだよ。あいつらは受け止めてくれるさ」
「・・・・・・・・・・・」
「言うなあ。卑屈なのは似合わないだろ、俺たちにはさ」

MZD&?






























無意味的


「オーケイだ!あっちはこっちだな、成る程!」
「うむ。そっちは向こうか」
「イエッサ!じゃあアレは任せたぞ!」
「判っている。それなら、コレはそちらに任せるぞ」
「よし!では、散るッ!」
「・・・理解した。では、散ろう」

セブンミミ&ライダーニャミ




































情報屋


「随分、梃子摺ってるらしいじゃないか。やぁ」
「・・・貴方の所に噂が流れるのは、良くない兆候ね。ワタシの仕事に二度は無いのよ」
「9課のNO,1ならお前がしくじるのも仕方ないだろう。奴は飛び抜けてる」
「機敏さではワタシの方が上。ただアイツの銃の扱い方よ。
 この前ピアスを打ち抜かれたの、信じられないわ」
「・・・で?仕事をミスした女スパイは何のご用だい」
「その癪に障る口調は止めたら如何?
 ・・・これ。場所を変えたようなの。貴方なら何か知っているんじゃなくて」
「知ってるだろう。俺は誰かの味方ってやつになるのは好きじゃないんでね」
「・・・強欲。前回掠め取った3カラットよ。ご満足?」
「ほォ・・・こいつは良いな。磨けば億は行く代物だ。素晴らしい」
「交渉成立ね。聞かせて貰おうかしら」
「・・・まあ、これは訊いた話だが。こいつの持ち主は随分女の裸が随分好きらしい」
「へェ。どんな女の裸が好きなのかしらね」
「そうだな。腕のない、美人の白い女の裸を好んでると言ったかな。それが本物に近ければ、尚更」
「尚更、ね。決まったようなものだわ!今度こそ頂くわよ」
「充分なネタだろう。精々いい仕事をしろよ、・・・ええと、・・・今は・・・」
「6月よ。・・・ねェ。貴方、どうしてアイツにもワタシにも情報を流すの?
 それも、お互いに真実を伝える。その意味は何?」
「意味、ねェ。俺にとっては、お前たちが行ってる攻防はすべてゲームなのさ。
 この立場なら、幾らでも高みの見物ができるだろう?」
「それはご大層な趣味だわ、YB。・・・その言葉が真実であるならね」
「さぁ?俺の中には心を差し出す真実なんぞ、何処にもないがね」
「どうかしら?真実はいつでも最後に顔を出すものなのよ。覚えておくと良いわね」
「・・・それはどうも」
「いいえ。・・・さァて、それじゃあお仕事にかからないとね。待ってなさい、チャーリィ」

ジューン&ビバップニャミ















「とても、かなしい」


「お兄さん。世界が私を見放したのではないの。私が世界を見放したのよ。」
「じゃあ、なんであの兄ちゃんを受け止めた?あんたは世界を捨てた。
 そして自分だけを個とした。その優越は、どうした?」
「あの人は、私の中のただひとつの真実だった。私は私の身体で真実を受け容れたの。」
「・・・その真実を受け容れたのなら、どうして彼を離さない?」
「酷い男ね、貴方は。どうしてあの人を貴方の所有物のように言うの?」
「兄ちゃんはあんたの所有物じゃないからさ」
「・・・醜いわ。あの人を貴方の物差しで測らないで。」
「人は誰にも縛られることはないよ、姉ちゃん。例え愛を誓い合った人にも、だ」
「何が言いたいの。何を言うの。貴方如きが、あの人を語らないで!」
「縛ることと救うことは違う。絶望と希望が、違うものであるように」
「絶望が私にとっての最後の望み。そしてそれを知っているあの人こそ、私の真実。
 貴方には、何一つ分からないのよ。知っているでしょう。」
「・・・確かに、俺はただの見物人だ。だがな。死では何も終わらない」
「・・・・・汚らわしいのだわ。又、平和や愛を騙るの。その醜い唇で」
「俺は、「そのもの」だからな。逃げているのはあんただろう?」
「私は一度も逃げることなどしなかったわ。夢は終わっているもの。」
「兄ちゃんも、か?」
「あの人はばかなのだわ。何もかもを知りながら、何もかもを望もうとしなかった。
 何もかもを認めないまま、何もかもを求めないで、何もかもを閉ざしたのよ!」
「・・・それは、あんたを愛していたからだろう」
「何故なの?何故なの。私の尊びは、私の死で終わった筈なの。どうして。何故なの。」
「愛する人を死なせたくはないだろう。あんたが心底そう思っているように」
「・・・私。私の何を知るの。お兄さん。」
「俺はあんたのことは知らないさ。兄ちゃんの心を言っているんだ」
「愛も労りも私には不要のものだった。そんなこと、あの人は全て知っていた。」
「そうだな。だからこそ、それに抗った」
「あの人を、蔑まないで。」
「そして、あんたも自分に抗っただろう?彼を受け止めることで」
「違うわ。違うの。違うのよ。」
「違わないさ。あんたは心底、彼を、そしてあんた自身を救いたいと思ったんだ」

MZD&釈迦ミミ















あばずれのプワゾン


「おい鴨。まだ淀川の消息は掴めねェのか」
「黙れ、妖怪。君は彼の素晴らしい力を知らない!彼の四次元世界は完全にこの三次元と隔絶されている。
 巧く遣らねば彼の姿さえこちらで確認する事も難しいだろう。君の力も役に立たぬ様だしな」
「・・・消すぞ。学者風情が俺に指図するたァいけ好かねェ」
「君の力は不安定だ。ジョルカエフ殿の様に能力を確立させていない」
「五月蝿せェよ学者ァ。奴は元々完全体だったんだろうが。俺はこんな色だから不安定で当然だ」
「・・・君のその不完全な所は魅力的なのだがな。まぁ能力は好かないが」
「お前だって消したいモンぐらいあるだろォ?例えば・・・嗚呼、その下らねェ痕とかなァ・・・」
「なッ!これを僕が消すと思うのか、漸くん!唯一、ジョルカエフ殿との接触の証だと言うのに!」
「は、幾ら淀川だろうと断り無しに俺の獲物をヤろうとするのは如何かと思うってだけなんだがねェ」
「彼に、物理的な力で首を絞められる!これほど名誉な事があるか!?いやない!漸くん!正気に戻りたまえ!」
「正気に戻るのはお前だろォが、鴨。ガクセイ共が今日も気味悪がって眉顰めてたぞ」
「君が表に出てみろ。きっと君の方が気味悪がられる」
「何を子供みてェな事を・・・幾つだお前は」
「年などで人を観るとは君もまだまだ浅いな。不死の君には年などどうでも良いだろう?」
「・・・年甲斐も無く餓鬼な処は中々好みなんだがなァ」
「何の話だ。全く、異能持ちだからと下出に出たのが間違いだったな・・・」

2P淀鴨















小休止


「旅人?なに、あの妖精と琴弾きじゃねーのか?」
「ちがうの!ズン太が見たの、なんだか、狐みたいなヒトだったって」
「・・・変だな。番は何にも言ってねェぞ」
「でも、見たって言ってる。そうだよね、ズン太」
「確かかよ。今の森は易々と常人が入れるような拓かれ方してねーぞ」
「・・・見間違いじゃない、と思う。ズン太は嘘つかないから」
「なんだかなァ。見ただけじゃあどうにも出来ねェって。ただでさえゴタゴタしてんだ。
 ギャンブル狂が言ってたぞ。今度は西で、迷い魚が出たって。なんで地上なんかに、魚がなァ」
「・・・どうなっちゃうんだろう。まだ、見つからないの?その・・・ええと、悪夢は」
「今、魔女が躍起になってるよ。あの力の前じゃあ、俺らは黙って見守るしかねェだろ」
「・・・そうだね。でもあれ、ほんとに、誰なんだろう?森の人じゃ、なかったって・・・」
「それはまた別の問題だ。新しい死体でも転がりゃ、正体がバレんじゃねーか」
「ば、ばか!そんなこと言っちゃダメじゃん!」
「っと。こりゃ冗談じゃ済まねぇか。わりィな」
「・・・ジャガーは物騒なこというからヤダよ」
「うるせーな、チビ」
「あんただってチビじゃん。ばかっ」

ジャガー・B&リトルレーズン















香辛料娘


「ジャッジャーン!」
「おやおやミミちゃん、何だねその糸につるしたあからさま君な5円玉は」
「何を隠そう、ニャミちゃん!これはれっきとした催眠じゅ」
「あーあーまたキミの病気、オカルトボケが始まったか・・・ええい他へ行け他へ!」
「エーッなんでそんなこと言うの!試すだけじゃん、ほら、一回だけ!」
「やぁだよ、邪魔くさいっ!どっか他の所で試せばいいだろスタッフとかさぁ」
「だって皆忙しくて構っちゃくれないんだもんよ。暇人は一人。イコール君。」
「あたしは雑誌を読むので忙しいんだよっ」
「屁理屈ッ!はーい、ニャミさん、この5円玉を眼で追ってくださーい」
「だーっ勝手に始めんな!」
「あなたはー・・・うーん何にしよっかな、あ、はーい、あなたは、インドの女の人でーす。
 どんどん、あなたは、カレーが食べたくな〜る。インドにな〜る・・・」
「ちょっ、だ、だから、止めろ・・・って・・・・」
「だんだん、あなたはインドの女にな〜る・・・おいしいカレーが作りたくな〜る・・・・」
「う・・・・このっ・・・・・うー・・・・カレー・・・・」
「あなたはあたしの為に美味しいカレーを作りたくな〜る・・・・っと。おっ、なんか朦朧としてるね。掛かったかっ!?」
「カレー・・・・カレー・・・・・・ハヤシ・・・・」
「はいはいはい、ニャミさんっ、起きて!ハイ!あなたが私にすることは!?」
「・・・・・ハヤシもあるでよー・・・」
「・・・は?いやいや、違うっしょ、カレー作るんっしょ、ニャミちゃーん?」
「ハヤシもあるでよ、お客サン」
「・・・・君は何か?わざとか?逆襲か?ハヤシ派なのか?おい、答えなさい」
「ウチのダンナ、激辛ハヤシ超トクイ。ナイス、お客サン」
「・・・・」
「注文、ナニにするよ?」
「・・・あ、あわわわ」
「どした。早く決めるがイイ」
「お、おい。念のために聞くぞ、聞くからなっ!き、君は・・・誰だ?」
「アタシはカリー屋『印度化計画』のムティーね。覚えておけよ、ウサ耳」
「あ、あわ、あ、あわわわわわわわわわ」
「いちいちうるさいウサ耳だな。早く注文決めろ」
「だ、ダメ、ちょっと、待って、ウン、あれ、えっ、君は?え?」
「印度化計画の場所なら、高円寺ね。愛称は『トビマス』よ。ッつかオマエ、今居るだろうが」
「・・・・・・・あ、ダメ、これ。と、解き方、わ、わかんない」
「ナニを訳のワカランことを言ってる。ハヤシもあるでよ」
「ああ・・・・にゃ、ニャミちゃん・・・!」

ミミとニャミ















ワルツ・バイ・ワルツ


「おい、漸くん」
「何だ鴨ォ。俺は忙しい・・・って、オイ、それ、如何した」
「理由なく、僕がわざわざ君に声を掛けると思うか。ホラ、巻いてくれ」
「包帯か。どれ・・・腕が鬱血するのと痣が出来るのどっちが良い」
「面倒なことを言うな。適当にゆるく巻け」
「・・・つまんねェ男だな。絞め物なんて奴ァ殺めるためのモンだろう」
「僕には説けない論だな。・・・どうも、この手のものは独りで巻けなくていかん」
「不器用なだけだろーがよォ・・・ったく、薄汚れた包帯だなァ。血だらけじゃねェか」
「愛着を持っているのだよ。分からないかね、すべての染みが針と血との結合の証だ。
 素晴らしき記念品じゃないか、なぁ?」
「吸血鬼の持論なァ。・・・俺は血を啜る趣味はないんでね」
「いずれ・・・君の血液も飲みたいね」
「いつかに謂った気もするんだがよォ。俺には血はないぜ、学者さま」
「どうかな。漸くんは、嘘が巧い。それだけは確かに、君が僕より勝っていることだ」

2P淀鴨

























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