母の鼓動


「誰が私を知るだろうか」
『この世のすべてがおまえを知ろう』
「誰が国を護るだろうか」
『おまえのすべてが世界を護ろう』
「私が」
『おまえが』
「お前の望みは私を救う事か、それとも・・・・」
『すべてはリスタチアの意志のもとに』
「リスタチア?・・・それは、一体」
『我の母。我の肉体。我の意識。我のすべてが、リスタチアだ』
「分からぬ。・・・お前は、此処に眠っていた、唯の、剣だ」
『我が名はコラーダ。母に愛されしコラーダ。母の意志を紡ぐコラーダ』
「・・・コラーダ」
『我はおまえを何度でも導く。それが母の望みであるならば』
「リスタチア、の、か?」
『シャムシール。おまえは母を知らぬ。しかし、すべてがおまえを知るのだ』
「・・・お前は、一体・・・」
『おまえに愛される、コラーダ。おまえが望む勝利をおまえに齎し、コラーダ』


シャムシール&コラーダ





















聖域の鎚


「おい騎士」
「・・・何だ」
「ああ。恐い眼だな」
「そうか」
「ルシフェルはどうした、今日は居ないか」
「居ない。だから我が此処に居る」
「・・・成程、「騎士」なのだな」
「お前のな」
「大層この身体は切要らしい。闇たる影に対して、それ程無防備なのだろうな」
「純度を保つ限りは、そうだ」
「・・・純度、か。中々小気味のいい言葉だ」
「解せぬな。お前は充分、俗世に似つかう思考をしている」
「その危うさこそが彼の望む物であるのだろう。そしてそれこそが純度として扱われる。騎士、おまえは強いな」
「唐突に、何を云う」
「力を感じる。おまえが培った力だ。そしてルシフェルに誓約した力だ」
「・・・そして、お前を護る力だ」
「ルシフェル自身を護る力だろう?幾らヒトと外れたとは云え、おまえはやはり人間だよ。騎士」
「如何云う意味だ」
「その通りの意味だよ。他意はない」
「・・・解せぬ。何故お前が純たる存在なのだ」
「悪に見染められたからさ。いつの世も、悪が最も欲すものは己に存在し得ない、純だ」


ナイト&フィリ
(キスする唇の形で、言葉を伝える遊び)





















帝都失陥


「爺や」
「何でございましょうか、愛子様」
「爺やは何とも思わないのかしら?」
「・・・わたくしめにはご質問の意味がよく判りませんが」
「黄金仮面と文彦探偵の事よ。私の独断をお父様もお母様もよくお見逃しになったわね、爺や」
「利発的な愛子様のご提案を喜ばれたのでしょう。実際、黄金仮面の噂には旦那様方もお困りでした」
「利発的、ね!二言目には結婚を持ち出すあの両親が!」
「ええ、旦那様方は愛子様の事を・・・」
「・・・黙って。どうせ爺やの口添えがあったんでしょう。そうでなければあの二人が易々納得する筈がない」
「そうであったとして、愛子様。どうしてそう不機嫌になられますかな。全て愛子様のお考え通りに事は動いておりますのに」
「『私』の意志ではないわ。『貴方』の意志よ。爺や」
「何故です?」
「彼らは貴方の言い成りだもの」
「いいえ。・・・全ては愛子様のご提案故にございます」
「・・・貴方は何を考えているの?私の提案如きを、この家が受け入れる筈もないわ」
「わたくしの考えなど・・・」
「信用されていないわね?」
「愛子様の申すままのお答えが、わたくしめの考えにございますので・・・」
「貴方が私より何倍も賢いことは知っているわ。私を飼い慣らしたいの?」
「滅相もございません。わたくしはただ、愛子様がよりよい道を歩まれるお手伝いをしたいだけの事」
「そのための黄金仮面であり、あの文彦探偵であるというの」
「愛子様が、そうお考えになるならば」
「・・・・。そう。私、貴方は両親の犬だって思っていたわ。けれど、違うみたい」
「どういう意味でございましょう」
「爺やも爺やなりの考えを持って、この吐き溜めのような場所にいるの。
 貴方が彼らの犬じゃない。彼らが貴方の犬なのね、今回の件で、良く、判ったわ」
「・・・愛子様はわたくしを買被っておられます」
「いいえ、爺や。貴方には何か考えがある。私にも考えがあるわ。それが合致したからこそ、貴方は私の話に乗った」
「・・・・」
「いいわ。いえ、いいの。私、嬉しいのよ。だって、ようやく、この牢獄に光を見たんだもの」


愛子&爺や





















駆けあし


「あたしゼッタイ、ワルドックさんだと思うんだぁ、ほんと」
「はー?いやー、絶対そこはマゴジローじいさんだろ、あんなロックジジイいねーぞ」
「だってホラ吹きの癖に人情深くてここぞというときにズッコケちゃってさァ。いい人選だと思うんだけどな!」
「まぁドラマっぽさはあるけどよォ」
「そしたらそこに釣られてトオルくん、さらにそこに釣られてのスマイルとサイバーよ!」
「・・・もう一人は出すつもりだから既に2人ってか」
「そうさっ。テーバンにしてテッパンの人たちはどうせもう手ごめにしちゃってるんでしょ。
 ここは意外性なるギャップっすよ!」
「そーゆーモンなのかねぇ。お前らも考えてんなぁ。おれ様感心」
「感心してよねー。なんたって一番神に近いポップンファンなんだから」
「・・・あー。それもそうね」
「何、いまさら気付いたのー?ばっかだねぇ」
「んー。そうかー。確かになー。で、どーなのよ、つまり」
「ワルドックさん」
「結局それかーい!」
「・・・ン、何、あんたら何してんの?」
「お、ミミ」
「あー、ミミちゃーん聞いてよーっ、映画における渋キャラ候補をだね・・・」
「渋キャラぁ?ほんっと、あんたら暇人だなぁ!」


ミミニャミ&MZD





















うそきす


「んー、んー、ん、ん。・・・あれ、伝わんない?」
「・・・伝わんねェ」
「そおー?ほら、んー、ん、ん。」
「だからだな。そう謂うキモいのはだ、せめて鴨に・・・、」
「・・・・」
「あ、お帰り」
「お、噂をすりゃア」
「・・・君達は何をしているんだね」
「何って。ゲーム」
「謂っとくが俺が先に吹かした訳じゃねーぞォ」
「・・・・。」
「帳くん?どーしたの、ヘンな顔して」
「突っ立ってねェで入ってくりゃどーだよ、キョージュ」
「・・・僕はこの上なく不愉快だよ、詩織。漸くん。とりあえず小一時間は君らの顔を見たくないね」
「・・・・え?あ、ちょっと、」
「おい、何だって、御前、」
「・・・」
「・・・」
「・・・あー。行っちゃった」
「何だアレは。如何した、あの阿呆は」
「んー。よくわかんない」
「だな。俺もだ」
「ん、ん、んー、ん。」
「・・・だから判らねェって謂ってるだろうがよ、さっきから」
「えー?もー、帳くんならわかるのかなー。連れて帰ってきてよ、淀さん」
「死んでも厭だ。てめェ行け」
「んー。あたしも喉元掻っ切られるぐらい、やだ。あ、勿論ジョル様は抜きでね」
「・・・はァ、そうかい」


2P淀鴨詩織
(キスする唇の形で、言葉を伝える遊び)





















待合い室


「あら、トレイン。どうしたの、そんなに急いで。ここ、終点じゃない」
「おあっ、キカ!お前か!ちょ、ちょっとシーッ、お、隠密に・・・!」
「なによ、慌てて。珍しいわね、何かあったの?」
「いやっ、大声では言えないんだが、その。燃料と食料の補給にだな・・・」
「補給?だって終点でしょ?」
「あー、だから、も少し遠くにまで・・・」
「は?遠く?私の故郷を「サイハテ」って馬鹿にしてたのはどなた?」
「だーかーら!諸事情!時間ねーんだ、お、お前も仕事だろ!?」
「・・・怪しいわね。どこまで行くのよ、この先に駅なんてロクにないじゃない。
 しかも貴方の担当外じゃないの?」
「・・・しつこいお前だから、言うが。オレが行くのはサイハテなんだよ」
「・・・・・・は?」
「だから。サイハテ。列車の墓場、呪いの駅」
「貴方が?」
「ワガママな乗客が、だよ。今車両に乗ってるやつをそこまで連れてくんだ」
「どうして?・・・だって、貴方、担当のルートが・・・」
「バックれた。尋常じゃねーんだ、ラムセが、
 ・・・ってのは乗客の名前なんだけど、必死でさ、乗せねーわけにはいかないって」
「・・・ホントに?ホントにその人を連れて行くの?」
「そう!だから時間ねーんだ、今も待たせてる。ここには10分しか停車しねーって言ってあるから」
「本気?ステーションが黙ってないんじゃないの、ねえ、ちょっとトレイン!」
「お前が戻ったら話つけといてくれよ、20パー減給なら我慢すっから!
 じゃオレ行くわ死ぬ前に顔見れてよかったよかった!」
「ちょっ、死ぬ、って・・・待ちなさい!」
「じゃあな、キカー!」
「・・・・・もう、なんなのよ!」


F-トレインとキカ





















伝う縁の


「魔女?」
「そう、魔女。あんたの血もそっち方面?顔馴染みって聞いたよ」
「・・・どうだろうね?どっちにしろ、あの子はあたしを嫌っているよ」
「ヘェー。なんで?」
「あの子は年上ってモノ、それ自体が嫌いなのさ。判るだろう、あの子の性格を考えりゃ、さ」
「・・・まァ随分、ヤンチャしてるなーとは思うけど。えー、嫌いなの?」
「森と海は遠い。疎遠になりゃ、余計感情は薄れる。そう云う事だよ」
「寂しいなァ。あんたが教えてもやったこともあるんだろ?」
「・・・少しだけさ。今も使ってるのかねェ」
「え、何?術?それとも道具?なになに、気になるじゃん」
「そんな大層なものじゃないさ、針と糸の使い方だよ」
「・・・はり?・・・いと?」
「ああ。あの子は術以外の事が悉く下手でね、独りで暮らして行くのにソイツは不味いんじゃないかって、
 ・・・本人は全部下僕にやらせるってゴネてたけどね、無理矢理教え込んだのさ」
「・・・。・・・え、ソレ、いつ頃?」
「いつ頃?・・・教えた時期かい?」
「うん、うん、そう」
「アンタがあの子を宴に誘うずっと前だよ、正確な時期は忘れちまったね」
「ヘェ、そう。あー、そう!そうなの!」
「・・・何だい、・・・いきなり大声出して。」
「いやァ、ラゴラ!いやいや!ロキは、多分あんたが思ってるよりずっと、あんたのことが好きだよ!
 なんだなんだ、あいつも結構ヒトっぽいじゃねーか!あっはっは!」
「・・・とりあえず説明してくれるかい。まず、アンタとロキの関係からだね」


マダム・ラゴラ&MZD





















お誕生日


「おめでとう、MZD」
「うはは、ありがとう!」
「ハッピーバースデーだな、MZD!」
「おお、サンキュ!」
「ハッピーでピースな宴をありがとよ!」
「お前もいつもありがとな!」
「かーみー!ありがとー!」
「いつもー、あーりがとー!」
「はいはい、これからもよろしくねー」


プレイヤーズ
(上から順にマリィ・キング・バンブー・ミミニャミ)





















一歩一歩


「道」
「うん?」
「なが〜い、ね、道。神が言ってたよォ、あたし達が辿って来たのはどんなカタチだろって」
「へぇ。あの人も珍しく。いや、当たり前に。感傷的なこというんだ」
「いうさー。だって、特別だもん。おセンチに浸らなきゃ」
「それもそっか。道ね。振り返るのは好きだけど」
「大好きだよね、キミ。うしろにどんな素敵なことがあったかって何度も確認したがる」
「だって、そのひとつひとっつがあたしを作ってきたモンでしょ。糧よ、糧」
「んー、あたしは。先にあるものが楽しみすぎてね、中々うしろ見れないんだよねー。いかんな、コレ」
「そう?いいじゃん、先読み至上主義。そんじょそこらの奴じゃマネできないよ」
「でもね、やっぱミミちゃんはあたしが取り落としたモンを拾ってくれてんのよ。いっこずつ丁寧に」
「この手?やー、そんな大層なもんかね」
「大層よ、ジューブン。あたしに無いものばっかり。スゴイね」
「スゴイね。ニャミちゃんだってあたしには届かない距離のものを近くに持ってきてくれる。うん、尊敬、するね。心底」
「尊敬?やるね、あたし達」
「やるよ。出来るから、ここまで来たの。あたし達ね」
「神は?」
「あの人?あの人はなんだろ。ズルイね」
「ああ、ズルイねー、ズルイわ!ほんっと、ズルイなあの人」
「だからイイんだけどね。神はズルくなきゃ」
「まーね。だって神だし」
「そうそう、神だし!」
「あー。楽しいなあ。うれしー」
「ん、眩しいねー」
「スゴイや、ほんと。あたし達まだまだずっとここに居られる。スゴイよ、言葉、ないよ」
「無いね。あーあ、勝てないなー。あたし達が大好きなんだもんね、一生勝てないよ、コレ」
「そだよね、あー、悔しー」
「ま、そんだからズルイんだよね、結局。・・・っても、あたしはそんなのとっくに知ってるけどォ」
「うっわ、イヤミ。そんだからカレシ出来ないんだ、あ、そーだー。わー、今理解」
「うるっさい、ニャミちゃん!グーで殴るよ!」


ミミ&ニャミ





















真実の口


「ずるいなぁ」
「何がだ?」
「かっこいんですもん」
「は?」
「はい。あなたが」
「ああ、・・・そうか。そりゃ良かった」
「本気ですよ、おれ」
「その眼、見りゃな。止めてくれ、面倒だから」
「でも、しょうがないんです。おれにはちゃんと、ほんとのあなたが見えますから」
「・・・・・・何?今、何て言った」
「ええ。・・・おれ、その目、大好きです。ファットボーイさん」
「ふざけてんのか?それとも・・・」
「・・・どっちでも良いんです。嘘でも、ほんとでも。俺にとって、あなたは、特別なんです。ずっと」


ファットボーイ×カジカ



















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