きみはコーラの王









コーラ!

にくいアイツ
女気取りの砂浜闊歩
カフェ・イン・ダーク
浚え常夏!
骨殺したる妙名
中毒者と呼ばないで
二つの塔を追う翼
きみのチェリーとぼくのキュウリ
「つながる時に」
それじゃ、もう一杯









きみはサイダーの王









サイダー

クリアライバル
ぷちぷちでっどひーと
翼竜の羽
カツ丼と千円札
濾過たる開花
透きとおるのは哀しいことで
炭酸系純情戦士
ラムネいろ、はじける
「夢とか持たなきゃ」
地の宝









きみはラムネの王









ラムネ

スイテキボーイ
夏に溺れて
くびれたラインのあの子はね
たこ焼きと山葵
似て非なる言い訳
君にはガラクタ僕には宝石
跳ねる
ぶくぶく、さいだぁぶるーす
「お前にこんなものをやろうと思う」
海を閉じ込める









きみは珈琲の王









珈琲

諦念自流サイフォン
「私を求めよ」
褪せて、凍えて
フール・グッド・バイ
砦たる膠色
三文芝居も飽きた頃には
玲瓏の砂糖菓子
しにかる膳
オプチミストは苦い味
閑暇の友









きみは紅茶の王









紅茶

ねじ曲がった三角傀儡
庭園の寵児
フレーバー至上主義
いぎりすカブレ
磁器対陶器
如何斯う群がる嗜みを
「残念、スコーンはもうおしまい」
紙パックで攻防
ロイヤルストレートフラッシュ
嘘つき執事最後の仕事









きみは緑茶の王









緑茶

新芽みたいに笑うね
ひと息
ざっくばらんサーカス
甘いか苦いか?
なつかしい味だと君は云った
ニホンセッケン
懐古の外側
夏は近づく八十八夜
手違いでサルヴァドール
酸素に準えて









きみはココアの王









ココア

ままの味
チョコレートには負けないで
異国情緒
砂糖一杯生クリーム乗せ
淀む嘆きにも似て
ばいばいミルキーチューン
銀の匙の渦
夜長、デート相手
夏至と魔女
あなたの特別になる









つのるなつのひ









つのる夏の日

つんのめったカカト
逆上せろ、僕ら
ルアー釣りと焚火
鍋底の焦げたカレー
津々浦々
望めよ快晴
日陰ではじまりを祝う









なつのひのさいごに









夏の日の最期に

懐かしい匂いがした
つまらない喧嘩
望んでた?
瞳をとじた子
濃霧はすべて知っていた
漣の音
威風堂々風上へ
ゴーイングホーム
滲んでいく、それでも









なつのひでんぱ









ナツノヒデンパ

なぞなぞ帽子
ツンデレ大暴走の巻
呪い重視でいこう
日雇い女優
電線のうえはホットスポット
「んがんぐ!」
パッと来てギュッとチュー









なつのひはさみしい









夏の日はさみしい

ナズナ取り
津軽の林檎頬張って
脳裏に写るは
ひとごとなおはなし
初摘みエキセントリック
蔑んで!
みじん切りの心
暫く呼吸を忘れていた
幾夜、きっとゆくよ









このはなつのひ









このはなつのひ

恋路別離
逃れたいと願う
はじめてばかなうそを吐いた
泪雨ちるちる
冷たいね、夏なのにね
喉の奥のはばかり
ひずんでく









きょうはなつのひのぜんじつ









今日は夏の日の前日

君が代をうたう
呼べよ嵐!
現の闇は永久に似ている
ハンドビュワー
無いとこ取りで漁夫の利
爪先、尖った眼
野晒しバンビ
悲願成就と相成るか
「飲下せ」
善の支配者な趣
時と名付けた地獄
つながりの果てを知らない









なつのひだとうそついた









夏の日だと嘘ついた

なんでもないな
抓ってみて、此処
脳味噌ドカン
陽の光も沈んでしまった
だあだあ漏れる
蜻蛉のよに低空飛行
そばかすみたいに
墜落してった花束たち
石畳這う
たまには失敗するよ












なつのひのようなほほえみでした






夏の日のようなほほ笑みでした

永い暗転
土気色のキス
ノート、切れ端、告白
「久しぶり」
覗いた硝子越しの
宵闇のバッファロー
海と同化する
七つ丘を越えてから
ホリックベイビィ
矛は胸を貫いた
煙突中枢にて垂直落下
醜い別れを今謳おう
でめきんぎょ
釈迦如来の金剛輪
たかが死で