§ミズシマさんのとっておき
雑楽ノート§
(第一話)
〜ミロのビーナスのお尻で居眠り・・・〜
海外に行くことが多い仕事をしていると、
まず、日本にいるときとはまた一味違う出来事があリます。
大体は忘れてしまっていくことなのですが、
先生がそれはもったいないということを言うので、
少し書き留めておくことにしたわけですが、
そんなことが面白いかなと思うのですが、
先生は一方的に面白いと言っている。
まあ、確かに面白いこともあるわけで、
少し書き留めておこうかなという気分になったところで、
今日の話は、「ミロのビーナス」の後ろで居眠り・・・。
仕事でパリに行くとどうしてもお昼には到着してしまう。
荷物だけはホテルも引き受けてくれるが、
人間は所定の時間にならないとチェックインはできない。
その間の時間は3時間ほどある。
その時間をつぶすのにちょうどいいのがルーブル美術館。
とにかく器が大きいから3時間歩いてもなんのその、
回りきれるものでもない。
疲れればいすに座って絵を眺めてればいいわけで、
すこぶる時間稼ぎには都合がいい。
その日は、なんともくたびれていて、
重い足取り・・・。
眠いからといって外に立っているわけにもいかないわけで、
美術館の中をなんとも眠い頭のまま歩いていましたが、
ミロのビーナスの部屋に来て、
ビーナスをくたびれた目で眺めながら後ろに回ると、
椅子がおいてあってしかも空いている。
ちょうどいいところにある・・・。
座ってしまうといきなり睡魔・・・。
ミロのビーナスがもやもやとにじんで夢の中。
ビーナスの後ろで居眠りということであれば、
夢の中で美女に声をかけられてもいいと思うわけだが、
そうはいかないもんですなー・・・。
声がかかる前に目覚めたのか、
それ以上夢見ていても現れる意思が美女のほうでなかったのか、
ただ単純にいつもの目覚めのように、
味も素っ気もない・・・。
しかし、目の焦点が合ってはっきりしてくると、
「ミロのビーナス」のお尻が目の中に一杯になった。
そうなると「ミロのビーナス」といっても、
お尻は普通にけっこうでかい・・・。
前から見ないでお尻からだけしか見ないで通り過ぎたら、
ただのおばさんの像だと思ってしまうかもしれない・・・。
ま、これは結構問題発言の一種になるのかもしれない・・・。
目覚めの先入観のはっきり定まらないうちの見え方なんてものは、
こんなもんなのかもしれない・・・。
今回は、第一話ということで、
丸くやわらかい話になってしまった・・・。
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