2004年 コンサート雑感(6)
2004年 7月21日(水)
エドゥアルド・フェルナンデス&福田進一デュオコンサート
E・フェルナンデスと福田進一のデュオコンサートがGGサロンであるという話を聞いて
さっそくチケットを申し込んだ
福田氏のコンサートにはまだ行ったことがなかったので
氏の演奏を聴くにはいい機会であると思い、かなり楽しみになっていた
当日はなんともひどい暑さ!!
今年の夏の厳しさの始まりというところ・・・・・・・
今日のコンサートは、満員になったということを聞いたので
これは早めに行こうと思い電車に乗った
今回は、前の席で聞きたいと思っていたので
30分は早く行かないとムリかなと思い急いだ
丸の内線の要町の改札を出て
方向を確認してGGサロンへ早足で歩いた
エスカレーターに乗ってホールの階に降りると
狭い入り口の前には若干早くついたためか、まだ誰もいなかった
30分前ピッタリに開場!
一番前に座るかどうかちょっと迷ったがGGサロンは席の傾斜がないと思い
一番前に座る
15分前くらいまではまばらな人だったが
残り5分というところではほぼ満員になっていた
二人がフェルナンデスを先頭にして登場し演奏が始まった
バッハの平均律クラヴィーア曲集第一巻よりプレリュ−ドとフーガ
NO.9、NO.22、NO.2の三曲が演奏された
極めて難度の高い曲であるとの福田氏の解説があったが
初見のような状態に見えたが二人とも弾ききってしまった
見ていてもその難しさは伝わってきた
お互い気にする余裕はなく、それぞれのパートにクギ付け状態だった
三曲目にストラヴィンスキーの小品を三曲(行進曲、ワルツ、ポルカ)演奏されたが
ストランヴィンスキーの曲をギターで聞くということはまずないので
興味深く聞くことが出来た
しかも三曲ともまとまりがよくギターで聞いて十分楽しめる曲だった
前半の最後はテデスコの平均律ギター曲集より三曲演奏された
後半は3つの秋の小品というプホールの曲から始まった
この曲は日本では初演ということで二人に献呈された曲ではあるが
かなり前に一回演奏されただけだという解説があった
かなりの難曲のようで、みごとにズレてしまった
出版されている楽譜が二人が演奏した時のものとかなり違っているという話が出てきた
指の運びは最初から非常に慎重で若干怪しげではあった
次に精霊たちのタンゴという日本の作曲家の佐々木真一の現代曲が演奏された
その次に、後半の演奏での山場といえる
フェルナンデス夫人のアナ・トーレスのクンパルシータのバイオグラフィーが演奏された
ラ・クンパルシータのメロディーが時々出てはくるがほとんど現代音楽
休符がなく弾き続けられる曲だ
この曲の後半でまた、まったくズレてしまう場面が出てきた
これは演奏しながら修復されることなく、曲はストップ・・・・・・
福田氏の指差したところから演奏が再会された
フェルナンデスは福田氏が止まって指差したときにアレッという顔をしたが
表情もほとんど変えずに再開されると、そのまま弾ききった
最後に酔いどれたち(J・C・コビアン)とラ・トランペーラ(トロイロ)が演奏された
二曲とも飯泉昌宏編が使われた
コンサート全体がサスペンスまであったかどうか分からないが、スリルはあった
名人二人のデュオでズレる場面が出現するとは想像していなかったので
その部分ではスリルがあった
曲の合間に福田氏の解説が語られたが
このコンサートが基点となってこれから世界ツアーに出るようだ
前の日にも追加コンサートがあったのだが、これからのリハーサルが出来たようなことを話していた
フェルナンデスも来日して間もないようなので
練習というのはほとんどされていなかっなかったように思えた
コンサートをこなしながら練度を高めていこうということらしい
曲の合間に語られる多忙の様子を聞いていると、練習を十分することは出来ないと思われる
今回のコンサートをたたき台としてツアーに出発ということだろう
有料の公開リハーサルというような形ではあったが
福田氏の語りも面白く、なにより明るいので楽しいコンサートではあった
桜井ギターを使用していたが二人の音は美しく、また個性の違いがあって面白かった
演奏がズレてしまってもそれで暗い雰囲気になることはなく
かえってそこから開場全体を明く楽しい雰囲気にしてしまうのは名人ならではのもだろう
真夏の夜の楽しいコンサートであった
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