「けさらんぱさらん」について けさらんぱさらんとは、詳しくは知らないのだけれど、 昔から幸せを運ぶ・狐の贈り物・成長すると二つに分かれる・おしろいで成長するなどといわれている。 植物である「タンポポモドキ」説、その他妖怪説、昆虫説などもある。 その昔まだ少女だった頃に生来の本好き(漫画好き)が幸い?して、 少女漫画家の西谷祥子先生の漫画だった記憶があるのだけど、 そこに「けさらんぱさらん」が登場し、子供心に胸ときめかした。 その時にはタンポポの綿毛のような生き物で白粉を食べて成長するというような、 おおまかな説明があったようななかったような・・。 長じてまた生来の推理小説好きが幸いして、これまた果たして森村誠一先生だったのか、 松本清張先生だったのか、いや夏樹静子先生か?? ともかく失礼極まりなくも忘れてしまったのだが、その小説の中にも登場した。 その本の中では確か、殺された女性が「けさらんぱさらん」をあるお寺から頂いて飼っていて、 で、よくある話で(作者の先生、すみません)、犯人の身辺にもその「けさらんぱさらん」が発見され、 そうして犯人発覚に至るというような話だったのだが。 実際には様々な説があるようだが、私の中では蒲公英の綿毛のような生き物で、 白粉の箱の中に入れておくと、白粉を喰って成長しドンドン数が増えていく・・ というような記憶となっている。 蒲公英の綿毛のようにふわふわと空から舞い落ちてくる頼りなげなそれが、 それなのに白粉を食べていると増殖していくという部分に、 少女の頃から今に至るまで、焦がれ続けた私である。 私もそんな風に、死ぬまで身を飾る女の命の白粉を糧にして、 いつまでもいつまでも、女の部分を持ち続けたまま、 でも確かな実体は誰にも分からぬまま、ふわふわと世の中を漂い続けて幸せを運んで居たい。 「けさらんぱさらん」を知った少女の頃から私の頭の中にはずっと、 白粉を欲しがる白い綿毛が、ふわふわと舞い続けているのだ。    けさらん ぱさらん  風吹く中で    心だけ食べて  生きてきた    あなたにしか 舞わない  白い羽